一閃に翔ける_製作余談


Guest Creator(動画・絵) : 矛盾

作詞・作曲 : 藤村哲弘

後に発売したアルバム「バクの心臓」の一曲目を飾る『一閃に翔ける』。

ここでは楽曲製作に至る話や、製作途中の当時の考え等を余談として残しておきたいと思います。

DTMを触り始めて半年。 SONARの妹分的な扱いである初心者用のDAWソフト「MUSIC CREATER5」に限界を感じ出したのはこの曲の製作中のことだった。 エフェクトを全トラックで計24個しか挿せないという縛りとの悪戦苦闘の日々だった。 仕方ないのでプロジェクトファイルを4つに分けて、各トラックをwavで書き出してからミックスを行い、 修正点が見つかればまたプロジェクトファイルを立ち上げて修正して書き出す… 手間が掛かりすぎてディスプレイに頭突きしまくりながら作業していたらこのような曲が出来た。

私はベースとドラムスが大好きだ。 だからこれらのアレンジも大好物で、その反面、その他の楽器のアレンジがすごく苦手だ。 ならば、潔くベースとドラムスと歌という3要素だけで思いっきり暴れられる曲を書いてみたい思い、 それを顕著にアウトプットしたものがこの『一閃に翔ける』である。 MIXは荒々しいが、たまに自分でも聴きたくなる一曲だ。

DAWソフトに限界を感じると同時に、動画製作ソフトと自身の動画製作能力にも限界を感じ始めた。 デフォルトでインストールされているWindowsムービーメーカーなんぞじゃどすこい日本以上のものを作るのは絶対無理だと悟った。 良いソフトはないものかと色々ネット上の記事を読んでいると、 After Effects(以下AEとする)が機能性も汎用性も優れていて、このソフトの使い方を覚えておいて損はなさそうだと思った。

しかし、早速体験版を触ってみたのはいいものの、簡単に使いこなせるような代物ではない。 このままでは目標としていた2011年2月中の投稿は無理だと判断し、 一度、動画を動画師と呼ばれるその道の専門の人に依頼してみようと考えた。 せっかくなのでAEを使用してそうな人にお願いしてみて、 どんな工夫をされてらっしゃるのか学ばせてもらおうと画策した。

PV付きとして投稿されている作品を片っ端から視聴した。 絵と動画を一括で製作でき、一閃に翔けるの雰囲気に合うクールなイラストを描け、さらにAEを使ってそうな人を探していると、 当時まだ確立されていなかった動画師という立場でぶいぶい言わせていた矛盾さんの作品が目についた。 動画を作ってくれる存在というのは作曲者からするととても貴重で、やはりと言うべく取り合いのような状況だった。 それでも駄目元で依頼のメッセージを送ってみると、曲を一聴した後、多忙にも関わらず引き受けてくださることとなった。

個人配信をされてて、配信の中でイラストを描いてらっしゃったのだが、 そのイラストを描いていた当日に動画まで完パケするという驚愕のスピードで仕上げてきた。 まさに矛盾の一閃ここに有りである。

PVは見栄えが良く、しかし大変シンプルな構成だった。 イラスト・背景・エフェクト 言ってしまえばこの3つだけなのである。 それでも、工夫を凝らせば短時間でこのような綺麗でかっこいいPVが作れるのかと関心した。

しかし、恐ろしいことにも気づいてしまった。 アイデアを詰め込めば詰め込むほど時間がかかる上、動画製作にその際限はないのだ。 こだわろうと思えばとことんこだわって色々できるが、それが直接的にクオリティに反映されるかというとそうでもないし、 手を抜けば抜くほど必ず粗が出て、視聴する毎にそこが目立ってくるのだ。 動画製作とはこれ以上なく工夫に際限のない恐ろしい作業なのだと痛感した。

ところで、この楽曲は1分44秒という長さだ。何故このような短い曲となったのか。 それはタイトルのイメージ通りに翔け抜けるものに仕上げたかったからである。 投稿当時、需要が有ればロング版を製作すると述べていたのだが、情けないことに未だに有言実行できていない。 某SNS内でも述べた記憶が有るのだが、当時はロング版のビジョンがはっきりと有り、 実際のところこれまでに3度に亘って製作を試みたのだが、全てボツとした記録が残っている。 曲が長くなると密度が低くなり、一閃というタイトルに相応しい曲ではなくなってしまったのだ。 楽曲としてはこの長さで気に入っているので、一閃とは違ったアプローチで是非ともリメイクを試みたいものである。

また、投稿後にイヤイヤ星人やどすこい日本といったコミックソングを聞いてくださっていた方々からは驚きと困惑の感想を多数いただいたが、 むしろ頭の中ではこういった実験的な要素の濃い曲ばかり書いていたので、その感想を不思議に感じた。

反対に一閃に翔けるから私を知った人々は、 過去に私が投稿した作品を観て「????!!???!?」となったらしい。なんでや。

#製作余談

最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。